BOGGYのイタリア料理と山と野草

イタリアファンのBOGGYが作って食べるイタメシのプログです。 登山、ピクニックのアウトドア・イタリアンはいかがでしょう。 革工芸も始めました。

私の好きな野草(1)ヤナギラン

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私が登山を始めたのが2005年で、その6月、森の中で木漏れ日をスポットライトのように受けて、輝くように咲いていたコアジサイを見たのが野草の魅力にのめり込む始まりだった。


同じ年の8月に、中学時代以来のキャンプに乗鞍岳の南、 飛騨高山にある子の原高原に行った時。
南乗鞍キャンプ場の近くの別荘地の空き地に咲いているピンクの花を見つけて写真に撮った。
背も高く上品な感じの花だったので、見た時には栽培種の花かと、写真を撮るのを躊躇した位で、帰って調べると、ヤナギランと呼ぶれっきとした野草だった。
ランと付いていてもラン科ではなく、アカバナ科の植物。


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子の原高原のヤナギラン1
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子の原高原のヤナギラン2


当時私は野草の初心者で、ほとんどの野草の名前を知らず、図鑑で花を見比べて名前を調べては写真に花の名前を入れて保存することが楽しくなった頃。
減退する記憶力のせいで名前を空で覚えるのは大変だったけれど、この花の名前は何故か忘れなかった。
キャンプはこの年から毎年行く習慣になり、2006年からは夏のキャンプは霧が峰に行くのが恒例になった。
初めての霧が峰の八島ヶ原湿原で、遠くに赤い花の群落が見えたので、午前中に見た車山湿原のアカバナシモツケソウに見えた。
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車山湿原
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アカバナシモツケソウ

しかし近づいて見て、これはヤナギランの大群落と分ってとても感激した。
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八島ヶ原湿原のヤナギラン1
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八島ヶ原湿原のヤナギラン2
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八島ヶ原湿原のヤナギラン3

そしてこの花が私はとても好きなんだなぁと、自分の喜び具合から自覚するようになった。
こうして毎年霧が峰のヤナギランに会いに来るようになった。

2009年、私の海外向けの野草のブログ経由で、イタリアの女性からメールが届いた。
ブログのファンになりましたという挨拶で、それから文通するようになった。
彼女はパトリチアと言う名前で、ヴェネツィアから北に50キロのバッサーノ・デル・クラッパ(Bassano del Grappa)という街に住んでいること。
大学で生物学を学び、ご主人と一緒に花の栽培を事業にしていること。
近くにグラッパ山(Grappa Mount 1776m)があって、毎年トレッキングやスキーに行くこと。

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冬のグラッパ山、スキーで賑わうそうです。
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花の季節のグラッパ山

彼女に私の好きな野草の一つですとヤナギランの写真を送ったら、イタリアでも咲いていますよと、グラッパ山に咲くヤナギランの写真を送ってくれた。
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イタリアのヤナギラン

日本のヤナギランと全く同じ形や色だなぁと感激したことを覚えている。
野草の辞典には、「ヤナギランは本州中部以北、北海道、ヨーロッパ・アジア・アメリカに広く分布する多年草」と書いてあって、これがイタリアにあっても不思議ではないのだけれど、やはりこうして現場の写真でみると感激してしまう。

今年になって、ブログに乗せた「一枚の絵に思う」で書いたゴールズワージーの短編、「林檎の樹」(The Apple Tree)とその映画、「サマーストーリー」について書いて、この映画のラストシーンに、ヤナギランが映っていたと書いた。
この映画のラストシーンは、英国南西部,コーンウォール半島の中心部を占めるデヴォン州の丘陵性のダートムーアで、この土地の丘に立つ、ミーガンのお墓に咲いていた。
20年も前に撮影された映画で、それも遥かイングランドにもヤナギランが咲いている事を知ったのは嬉しいことでした。
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イングランド、ダートムーアの風景
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映画のラストシーンのヤナギラン

そして昨日、テレビで「北欧トレッキング紀行」という番組が再放送されていて、北欧の山歩きはどんなものかと見ていた。
この日はデンマークで、デンマークの最高峰に登るお話。
ガイドの男性がデンマークの最高峰だと説明していた天の山(Himmelbjerget 147m)に向かって草原の小道を歩くシーンで、このヤナギランが映った。
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天の山
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しかし番組の途中で、「天の山の南に173mのピークがあって、それがデンマークの最高峰です」と訂正していた。

調べて見ると、ユラン半島の中心あたりに、イィング スコゥホイ(Yding Skovhoj 173m)という山があってきっとこれの事でしょう。
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イィング スコゥホイ


こんなことでちょっと興味が沸いて詳しく調べてみたら、この訂正も間違いで、2005年にデンマークの各ピークの高度の再調査が行われ、結果は
1。 Mollehoj / 170.86メートル
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これがデンマークの最高地点。ただの丘にしか見えませんね。

2。 Yding Skovhoj / 170.77メートル
と、最高峰は Mollehoj が正式に認定され、番組で紹介された天の山(Himmelbjerget/147メートル)は7位だった。
どう転んでも200メートルに足りない山ばかりで最高峰を競うというのも、ほとんどまっ平な島の国デンマークならではのお話。

ちょっと脱線したけれど、こうして好きになった野草、ヤナギランがイタリア、イギリス、デンマークでも咲いていると、写真や映画、テレビで見ると、大昔、世界の大陸が一つの塊だったというパンゲア大陸説が実在したのかもと、超飛躍的な想像が沸いてしまう。
ネットでちょっと画像を検索して調べみると、
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アメリカの最東端、ファンディ湾ルーベックの灯台に咲くファイアーウィード(ヤナギラン)
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アラスカのヤナギランの大群落
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カナダのKluane_NationalParkに咲くヤナギランの大群落
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アイスランドに咲くヤナギランの大群落

次々に各地で咲くヤナギランが見つかった。
こんな所に行けて、この目で見られたらどんなに素晴らしいだろうと、考えただけで胸が熱くなる。
一つの花がきっかけで、こうして様々に興味が沸き、知らなかったことを知るようになった。
この次はどんな野草がどんな事を教えてくれるのだろうか。

註)ファイアーウィード(Fireweed):山火事の後、真っ先に焼け跡で咲く花ということで付けられた名前らしい。日本の花のヤナギランと同じ仲間。


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