BOGGYのイタリア料理と山と野草

イタリアファンのBOGGYが作って食べるイタメシのプログです。 登山、ピクニックのアウトドア・イタリアンはいかがでしょう。 革工芸も始めました。

希少の野草-クマガイソウ観察会(2012/05/20)

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 毎年この季節になると、ネットの山仲間の一人が、実家近くの自生する野草の観察会を開いて案内をしてくれる。
これまで何度も開催されていたのに、私の都合が悪くて一度も参加することが出来なかった。
今年は有難いことに、土曜と日曜の二日にかけて開催してくれることになって、ようやく私も都合が合って参加出来ることになり、貴重な野草の観察の念願が叶うことになった。


 前日土曜開催のの参加者は多くて、賑やかな野草観察会だったらしい。
花の時期もドンピシャだったらしく、私の期待も膨らむ。
参加したメンバーさんの感想を読んでいたら、「急な登り」という字が目についた。
エエッ!!と私は驚きそして動揺してしまった。
明日は○○さんチの裏山を軽く散策するのだろう・・と、私が勝手に決め付けて、土曜の天気の良さに誘われて、久しぶりに梅林公園から金華山の岐阜城まで、以前のトレーニング・コースを歩いてみたくなったのだ。
裏山の散策などではなく、道も無い急斜面を登ることになると分かっていれば、前の日にワザワザトレーニング・コースなどを歩いて、私の貴重な、かつ乏しい体力をムザムザ浪費はしなかったのに・・・。しかし覆水盆に帰らずで、折角の貴重な野草を観察するチャンスを棒に振るわけにも行かずに、日曜の急登を覚悟した。

朝一で何時もの定番のイタリアン・チャーハンを作り、2つのパックに分けて、一つは自分達用と、お世話になる○○さんの実家の皆さん用にした。
日曜の二部は参加者も少なく、待ち合わせ場所に行くと、参加者は三人と案内役の○○さんの4人と分かった。
私の車に纏まって、○○さんの実家に向かう。
以前、ある林道を野草探索で歩いた時に、対岸にイワザクラが咲いている場所があって、その近くが○○さんの実家と分かっていたので、案内なしに快適なドライブをすることが出来た。

今日の目当ての野草はクマガイソウで、日本の多くの県で絶滅危惧種に指定されている貴重な野草である。
岐阜近辺でクマガイソウと云えば、岐阜県と三重県の境にある鈴鹿山系で、私もここで二度ほどクマガイソウの自生を見たことがある。
岐阜県と滋賀県との県境沿いに位置する霊仙山では、大きな群落が無残に盗掘されて姿を消した現場を見たことがある。

現在、クマガイソウが見られるのは、多くは保存のために管理されている場所が多く、人手を介さない全くの自生のクマガイソウはまさに希少であって、この〇〇さんの案内してくれる場所のクマガイソウは、猟師であった〇〇さんの親父さんが発見した場所だという。
つまりそこは猟師さんしか入らない山ということで、当然ながら登山道などある訳もないのだ。

〇〇さんの実家に到着すると、時間も早いし、山からは昼過ぎに戻ってこれるので、今日は実家で食事をして下さいということで、ランチの食料は実家に置いて軽装で登ることになった。
私にすればこれはとても助かる話で、ザックが一キロでも軽くなればそれだけ体力の負担が少なくなるのだ。
実家の横から、畑の脇の小道を進み、山に入る。

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最初は谷筋の道を登り、オドリコソウなど写真に撮る余裕もあった。

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オドリコソウ


しかし、谷筋から山の斜面に取り付くと、前日の人達の微かな踏跡があるものの、険しい急斜面になった。

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こうした急斜面の登りは、私のような年齢では自分の体力に合わせたペースをキチンと守らないとたちまちにバテてしまう。
登山は基本的にマラソンと同じに有酸素運動で、筋肉に呼吸で得た酸素を血管を通して送って筋肉を働かせる。
こうして疲れた筋肉は、休憩を取れば元の筋力が戻り、登山を続けることが出来る。
しかしこのペースを守らず、呼吸や脈拍が高くなりすぎるほどに体力を使って登ると、筋肉に酸素の供給が不足して、無酸素運動という、筋肉内のグリコーゲンを乳酸に分解してエネルギーを生成させることになり、筋肉そのものを消耗することになる。
つまりこうして痛めた筋肉は休憩しても戻らなくなり、次第に筋力を失い続けて登山を続けることが難しくなる。
この急斜面では、先行する三人と距離が開いてしまうが、無理せずに自分のペースを守ることが大切で、結果はほんの数分遅れるだけのことで、大切な筋肉を傷めないで済むのだ。
一時間ほどの道なき急登に耐えると、尾根に出た。
なんとか付いてこれた・・・と一安心。
尾根の反対側の斜面にクマガイソウの群落があるという。

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斜面を下り始めると、最初に出会ったのはエビネだった。
幾つもの株があり、花が咲いていた。

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同行のお仲間さん達も激写、激写の風情である。

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オマケの花がエビネだなんて、贅沢な山だなあと、嬉しくなった。

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あった!!! 最初のクマガイソウの株に出会った。小さな群落だけれども、のしかかる倒木にもめげずに咲いていた。

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このクマガイソウは見る度に変わった形の花だとその造形の不思議さに感心してしまう。昔の人はこの花の形を武士の背負う母衣(ほろ)に見立てて、勇猛な武士の熊谷直実の名を付けたそうな。

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そしてもう一種、似たような形の花の蘭科の花にはアツモリソウとして、平家物語の熊谷直実の一騎打ちの相手だった平敦盛の名を付けたという。
花の名前をつけた昔の人達も、かなりのロマンチストだったのではないかと思う。
ちなみに、母衣(ほろ)はWikiによると、
「元来は平安時代末期に生まれた懸保侶(かけぼろ)という補助防具である。背中に長い布をたわませたもので、馬を駆けると風をはらんでふくらみ、背後に長く引いて背面からの流れ矢を防ぐ役割を果たす。」とあって、母衣で画像を検索すると、こんな画像が沢山見られる。

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母衣(ほろ)


次々に小さな群落が見つかる。

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小さな株を踏んだりしないように気をつけながら斜面を下ると、一番大きな群落に出会った。
もしやここはクマガイソウの聖域(サンクチュアリ)で、人が立ち入ってはいけない場所かもしれない・・・と真面目に考えてしまった。

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とにかく、このクマガイソウの存在はブログで発表するにしても、ここが何処かは絶対に特定できないように注意して、クマガイソウの大敵になる盗掘者の侵入だけは阻止したいと思う。

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想像していた以上の群落のクマガイソウを堪能させて貰い、このクマガイソウが長く生き続けることを願いながら、昼過ぎに森を下った。

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実家のお宅で持ち寄ったランチを広げ、おばあちゃんの山菜の手料理を何種かご馳走になった。
とても辛く漬け込んだワサビ葉の漬物も頂きながら、辛いワサビ葉の漬け方を教わり、これまで自分がやっていた方法が正しい方法ではなかったことを知ったのは大きな収穫だった。

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念願の野草観察会に参加できて、とても充実した一日になった。
案内役の〇〇さんとご一家の皆さん、そして参加のお仲間に感謝したいと思います。

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